リードするって心強い
下柳先生みたいな人を紳士というのだろう

下柳先生がケースバイザーでよかった

話しやすいし
あたしが不安に思っていることにも気がついてくれるし
年が近いからかな?

よく見たら
目が優しい
話し方も優しい
背も高いし
角度計を操作する指先の動きも器用
患者さんとの会話も丁寧

こういう作業療法士になりたい要素が
下柳先生にはいっぱい詰まっている気がする

自分が患者になったら
こういう人にみて欲しい


「まお!!! お前、手の外科症例のレポートも書かなきゃいけないこと、忘れてないよな!!!」


般若怖さ8割増しの岡崎先生がいつの間にか
下柳先生の存在が頭の大半を占めていたあたしの目の前で腕組みして立っていた。



『わ、忘れて・・・』

いました

忘れていました

なんて言えない

だって、そんなこと言ってなかったし・・


「神林さん。前島さんの評価、午後にしてもらうから、今から行っておいで。手の外科の症例。」


神対応
さすが紳士な下柳先生

『すみません。行ってきます。』

あたしは目に見えない首輪をつけられ、それを引っ張られるように岡崎先生の後を追った。


実習8日目

下柳先生のリード=紳士的対応
岡崎先生のリード=首輪を引く道具

同じリードという言葉に
どうやら振り回されているらしいあたし