「は?お父さんだと?」
「あっ、真緒のお父さん、お母さん行ってきます。次に来る時は、自分の節操なし度は80%に、その次は70%に・・と変わっていくと思います。」
「・・・やれるもんならやってみな。ほら、行ってこい!」
「伊織クン、行ってらっしゃ~い♪」
お父さんと岡崎先生の間で勃発した朝帰りを巡るバトルは
ラスボス純夏ちゃんまでも味方につけた岡崎先生の完勝にて終了!
「真緒、1分でも帰ってくるのが遅れたら、次回の門限は午後4時にするからな!」
『えっ?門限10分早まるんじゃなくて1時間早まるの~?そんな~!!!』
でも、真緒激LOVE男であるお父さんはここであっさり引き下がるわけなく、悪あがきし始める
1年前、岡崎先生に告白させてもらえなくてもそれでも彼を想い続けるのをやめられなかったのはこの父親譲りの諦めの悪さなんだな・・・とたった今痛感したあたし
「当たり前だろ?誰が10分って言ったよ?門限破りのペナルティーは俺の言い値だからな、覚えておけよ、節操なし度95%の男もな。」
「・・・承知いたしました。節操なし度90%男、心して行動します。」
そんな困った父にも誠実に向き合う岡崎先生。
しかも、お父さんに勝手に5%増された節操なし度をきちんと修正する丁寧さをも添えて。
なんでも気怠い面倒くさい岡崎先生はいったいどこへ行ってしまったのだろう?
嬉しいそんな彼の一面を知ることができて、あたしの中での幸せ宝物がまた増えた。
でも、彼と離れなくてはならない切ない時間はもうすぐすぐそこまで来ていて。
『岡崎先生~!!!! 門限間に合わないといけないからもう行きましょう!!!!』
「ああ、そうだな。」
『残り40分、1分たりともたっぷり岡崎先生を堪能する時間を減らしたくないので!』
「残り40分?・・・俺を堪能?・よくわからないけど面白そうだから行くか。」
背後でお父さんが“純夏ちゃん、家中の時計を遅らせたりするなよ?”とお母さんに何度も釘を刺している声を聴きながら、あたしは岡崎先生と自宅を後にした。



