Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!




それは愛ある強要。

それは岡崎先生も予想外だったようで、彼は禁じられている“お父さん”呼びをしてしまい、照れ笑いをした。


「真緒、これ、持ってけ。1時間後、今度はお前ひとりで朝帰りのやり直しするからな。」


岡崎先生に愛ある強要をしたお父さんのエプロンのポケットから取り出されたのは、個包装してある2枚の豆板。

お父さんご機嫌取りアイテムでもある豆板
何があっても絶対にわけてくれないそれ
それを2枚渡したということは、1枚はあたし用で、もう1枚は岡崎先生用だと思う
もし、本当にそうならば、お父さんが岡崎先生を受け入れたという証拠の豆板なんだと思う


それに、“1時間後、今度はお前ひとりでの朝帰りのやり直しするから”というお父さんの命令

自宅から高山駅へは徒歩で10分。往復で20分の所要時間
その命令は、岡崎先生に撃沈させられたお父さんが絶対に自分からは言いたくない“岡崎先生を高山駅まで見送りに行ってこい”という命令を含んでいるんだと思う
制限時間1時間―移動時間20分=40分のおまけまで付けてくれて・・・


素直に嬉しい
正直に昨日の夜、あった事実を打ち明けて良かった

もし、適当に誤魔化してこの場を乗り切ってもきっと
お父さん曰く節操なし男の岡崎先生と付き合いながら、同居している両親への後ろめたさを感じ続けるに違いないから

どうやら、あたしは後ろめたさ100%の朝帰りひとり再試験を受験させてもらえるらしいし・・・

まあ、そういうのを1回ぐらいは経験してもいいよね


『お父さん大好き!!! 行ってきます!』

「真緒のお父さん大好き、やっと出たな・・・ おう!行ってこい!・・・そこの、節操なし度90%の男、“行ってきます”は?」

「行ってきます。お父さん!」

お父さん曰く節操なし90%男・・・昨日よりもおそらく節操なし度が10%減っている岡崎先生は晴れやかな表情でお父さんが求めた挨拶をしてくれた。