信じられない
3年生の実習時に鬼指導教官だった岡崎先生とあたしが
ともに裸で朝を迎えるなんて・・
もっと信じられない
眠れない岡崎先生なんて・・・
実習中は、森村先生が絡んでこない昼休みの岡崎先生は運動療法室のベッドで爆睡していた姿をよく見ていたから
でも、もしかして、岡崎先生がその頃、昼寝していたのは
女性と朝まで過ごして寝不足だったから・・なのかな?
やっぱり“朝ごはん食べる暇がもったいないぐらい、ヤる”って長谷川さんの言葉、岡崎先生のリアルなのかな・・・
『なんで完徹・・なんですか?』
「・・・胸いっぱい過ぎて眠れなかった・・・真緒を抱いたんだと実感して。俺、こんなこと初めてで、ちょっと戸惑ってる。」
男の人って性欲満たせばそれでいい・・勝手にそういうイメージ持ってた
だから、この岡崎先生の“胸いっぱい”発言には正直驚いた
おまけに経験豊富な大人であろう岡崎先生の“初めて”
それにあたしの存在があることにも胸がジ~ンとする
そういうのも嬉しすぎて彼の顔を覗き見しようと顔を見上げる。
でも、彼が戸惑っているせいなのか、頭の上に彼の顎が載せられてそれをブロックされる。
「真緒は・・・その・・・大丈夫か?」
『えっ?大丈夫かっ・・て?』
「だから・・・カラダ・・・」
おまけに、あたしを抱いている彼のたくましい両腕の力が強くなり、より強く抱かれている状態に、あたしの甘い違和感の残るお腹までもピクリと反応。
『アッ・・・』
そのせいで漏れた、自分のものではないような甘ったるい声。
たったひと晩で変わってしまったあたし
こんな声も
甘い違和感のあるお腹も
抱かれることがこんなにも温かいことだということも
「あ~、俺、今日の午後の仕事、突然の胸痛に見舞われて休み・・になる。きっと。」
『えっ?』
「真緒の今の声のせいで、今朝もベッドから起きられない・・つまり朝予約してある特急に乗れない・・・ということは午後の仕事に間に合わない・・・だから胸痛で休みになる」
『えっ?もしかしてズル休みですか?』
「胸痛で休みに“なる”んだよ。今の真緒の甘い声で、俺はとうとう重症の胸痛を発症しました。」
岡崎先生
今日、午後仕事だったんだ
そういえば昨日も今日も平日だった
どうしよう・・・



