突然のことに驚き、固まっていたその時、窓の方を向いていた彼がふとこちらを見た。

その顔は今まで誰にも向けられたことの無いバカにしたような、嘲笑うかのようなそんな表情だった。

「随分謙虚なんだね」

そう言った彼の声は今までの暖かい優しいかれからはそうぞうできないような、とても冷たい声だった。