廊下の床がふかふかした素材になっている為、足音は分からない。

気になってドアから顔をのぞかせる私。

(あの人が誰だろ…)

一人の男性がこちらへやって来た。

｢今日からマネージャーをする事になった。よろしく｣

｢マネージャー？あなたが？｣

マネージャーといったらスーツ姿のイメージだったが、ラフな格好をしている。

それにイケメンだ。

だが、私はマネージャーについて何も聞かされていなかったので本当にこのイケメンがマネージャーなのか心配になった。

｢取り敢えず自己紹介しなくちゃね。私は黒咲留々菜。よろしく。で、あなたは？｣

｢…｣

｢そう。名前を言いたくないのね。分かったわ。これからA君って呼ぶわね｣

後々の話で分かる事なのだが、彼は東海林愛夢という名前だ。