翔が私の体をつかんでコケるのを阻止してくれた。慣れない靴を履いたからかな。
「あ、ありがとう」
ぎゅっ、突然手をつかまれた。
「今日はずっと手繋いだままにしような。すぐどっか行くし、コケそうになるし。迷子になりたくないだろ?」
繋いだ手を少し上にあげ、優しい笑顔で言ってくれる翔。
うんうん、と首を大きく縦に振る。
優しいところ、今日はいっぱい見た気がするなぁ。
「イルカショー、そろそろ始まる時間だけど見る?」
「みたいっっっっ!!」
子供の夢!憧れ!大好きイルカさーーーん!
ステージと水槽の周りは人、人、人。椅子もほとんど空いていない。
1番前の真ん中辺りに2席空いているのが見える。私たちは急いでそこに座った。
イルカさんがよく見える!!ベストポジション!!!!
