「紗南、行くぞ。」
急に喋ったと思ったら、私に手を強く引っ張る。
「あれれれ、照れちゃって〜もう。そんなヘタレだと、この先大変よ〜。紗南、狼には気をつけて!!」
「いってきまーす!!」
え?狼出るの??今から山の中でも入るの!?もしや、狼のパーティーで私は生贄とか........。
店を出ると、THE高級と言えるこの車、ベンツが待ち構えていた。
翔が私を中に押し込み出発する。
隣に座った男は何も喋んないし、なにこれ。超気まずいんですけども!!!
「はぁぁぁぁああ。」
急に盛大なため息を突き出した翔。なにか悩み事!?あ、地味な私を連れてったら恥ずかしくてたまらんとかそういう!?
「連れて行きたくない。」
ほらやっぱり、そうなんじゃん。涙出そう。
「可愛すぎて、連れて行きたくない。」
「へ!?」
「他の奴らに見せたくない。」
