「そう。私ときーちゃんは両親が仲良しの幼馴染で、ずーっと小さい頃から一緒に遊んでたの。
その日、2人で繁華街の近くの公園で遊んでた。そしたら、急に黒い服の男の人が5人くらい来て、きーちゃんを、きーちゃんだけを攫ってったんだ........。
私は!!何も........何もできなかった!きーちゃんって泣き叫びながら、見る事しかできなかった。大人に頼ることしかできなかった。急いでお母さん達を呼びに行って、ひたすら泣いて。何もきーちゃんにしてあげられなかった。
結局、身代金目当てだったその人たちに、お父さんたちがお金を払って、きーちゃんは返して貰えた。だけど、精神的に参っちゃったみたいで。1年くらい塞ぎ込んでた。
私が、守れていたら........私が代わりに攫われればよかったんだって........何度も思った。でも、過去はどうにもならないから。私が強くならなきゃ。そう思って、空手、柔道、合気道、剣道、できることは一通りやってきた。
繁華街も毎日パトロールして、きーちゃんと同じ目に合う子がいないように........ってやってきた。それだけ。」
ダメだ........涙が止まんない。乗り越えた........って思ってたんだけどなぁ。ハハッ、私まだめちゃくちゃ弱いままなんだね。
