想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~

「美園恵理さんの付き添いの方ですか?」
看護師に呼ばれて宏貴が立ち上がる。
「はい」
「診察室で少し体調を崩されて、今から点滴しますので病室でお待ちください。」
「え?」
ただでさえ診察室に入る前に体調が悪かった恵理。
自分で歩くのもやっとだったのに、さらに悪化してしまったのかと、動揺せずにいられなかった。

看護師の案内で病室にうつり待機していた宏貴のもとに、ストレッチャーに乗せられて恵理が運ばれてきたのは1時間以上たってからだった。

簡易的な椅子に座っていた宏貴はすぐに立ち上がり病室の入り口から運ばれてくる恵理の方に歩み寄る。

「恵理」
「今、美園さんはお眠りになってます。目が覚めたらナースコールでお呼びください。今、ナースコールの使い方を説明しますね。」
眠っている恵理の顔色は、診察室に入る前よりは少し良くなっているように見えた。