退院してから恵理は数日後に会社にも顔を出せるほどに体調が回復した。

二人は改めて社長にも挨拶し、具体的な新しい契約書を結べるように宏貴を中心に話を進めている。

一時はメモがないと仕事の優先順位を決めることもできなかった恵理。
気を抜くと元通りに仕事のペースを上げてしまうほど、精神状態も回復している。

「恵理、休憩しよう。」
そこにストップをかけるのが宏貴の役目だ。
「うん」
「お義父さんからもらったヨーグルト食べるか?」
「うん。ありがとう。」

会社を退職するための準備をしながら、二人は家を買おうとホームメーカーを調べ始めていた。

話をしている時の恵理の嬉しそうな表情に、宏貴までうれしくなる。