「無理ない程度にな。」
上司は恵理の方を見て言うと宏貴に視線を移す。

「ちゃんと見張ってろよ?奥さんが無理しないように。」
「はい」
この上司には妊娠していたことも、流産してしまったこともすべて話している。

そのうえで、二人を理解して仕事をサポートしてくれたり、声をかけてくれている。

「ありがとうございます。」
上司にお礼を伝えてから二人は作業スペースに入った。


2人が入籍してから2か月が経っていた。

大きな悲しみを経験した二人。
まだ乗り越えたわけじゃない。