想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~

「ごめん・・・」
せっかく作ってくれたのに吐いてしまったことを謝る恵理。
恵理の頭をポンと撫でながらも、宏貴は何も言わない。

こんなに言葉を交わさないことは今までなかった。

洗面所で口をすすぐと、宏貴が恵理を抱き上げて寝室のベッドに横にしてくれる。
いつの間にかメイク落とし用のシートまで持ってきた宏貴が恵理の顔を拭いてくれた。

その間も沈黙。

静かな空気が二人を包み込む。

この違和感に気づいたことがまだあった。

いつも宏貴は思ったことも、感情も、考えも言葉にしてくれる。
いつだって行動と言葉をおくってくれる。