きらめきテレスコープ

「煌野は頭いいよね。体育免除なのに全体的に成績良いしさ。いつも夕方に帰るよな、夜は塾?」

「塾…行ってないよ」

「ウソ!?あんなに頭良いのに!?」

 俺の言葉に、煌野は何でもない様子で返す。

「…私、布施くんには嘘付かないよ」

「なんでそんなに頭いいんだよ…。家庭教師とかいるの?夜に勉強したって俺、煌野みたいになれないよ、絶対」

「…。」

 煌野はやっぱり黙り込む。

「言えないか…。俺は…聞きたいけど…でも、煌野が嫌なら無理に聞かない。ごめんな、嫌な思いさせて…」

「…私、他の人には別に嫌われてもいい。でも、布施くんには…嫌われたくない…。からかわないし、こんなに私に喋ってくれて、気も使ってくれたのに…」

「煌野…」

 俺は煌野の気持ちが嬉しかった。だから、どんなに知りたくてももう答えたくなさそうなことは聞かない。
 嫌われたくないのは俺も同じ、煌野に嫌われたくない。

 でもすぐに、さらに謎が深まるような事が起きた。