きらめきテレスコープ

「ずっと…一人でいればよかった…欲張ったりなんかしたから、私は“バチ”が当たったの…。布施くんにこんなに楽しくおしゃべりしてもらえて、嬉しかったから…」

「…なんで?いいじゃん、罰なんてないよ!それに俺、煌野のこと忘れたりしない…!どこにいたって見つけるよ!約束するから…!!」

 俺はよく分からないながらも煌野がこんなに悲しそうなのを見て、励ましてあげたくてそう言った。

「布施くん…」

 煌野は、あっ、と何かに気付き、急いで体を離した。

「熱かったでしょ!?大丈夫!?」

 なぜか相当焦っている。

「え?…煌野は泣いてたんだから、体が熱いのは当然だよ。その…生きてるんだからさ」

「…。」

「帰りたくないならいいよ、今日はうちに来る?家族には話しておくし、妹がいるから寝るときなんとかすれば部屋を貸せるし…」

 煌野は涙を拭いて首を振った。

「…ありがとう…でも…あ…」

 煌野が空を見上げたので俺もつられて見てみた。
 空は暗くなり、星がもう見え始めている。

「…今日も、ありがとう…布施くんなら、見つけてくれるかな…私を…」

 煌野がそうつぶやいたのを、空を見ている視界の外で俺は聞く。
 すぐに気付いたけれど、そばにいたはずの煌野はもういなかった。