全日制の高校から通信制の高校に転学した。


自分がこうなるとは全く思わなかった。

少女マンガのようなキラキラした青春が
私にも用意されていて欲しかった。

けれど、どこを探しても見つからない。

一生懸命に探し続けたのに。

頑張ったのに。

何年間もピンと張っていた糸が、ついに切れて
持っていたもの全てが偽物だと気付いた。

自分の弱さを知って、心に耳を傾けた。

何が好きで、何をしたいのか。
何が嫌いで、何をしたくないのか。

本当の私はどんな人なのか知りたいと思った。

苦しみと向き合って、悲しみに寄り添った。

憎しみに問いかけ、許すということを覚えた。


時間はかかったけど、
私はもう一度ここから始めようと思う。


偽物に気を取られて疎かにしていた勉強は
授業にすらついていけなかった。


長いこと塞ぎ込んでいたため出来たたくさんの後遺症を必死に隠した。


だから、机の角に小さなメモが置かれた時
胸の奥が強く突かれた。

不安も大きい。


メモを読んだ時、本当に、本当に嬉しかった。


“友達にならない?”


その言葉に舞い上がりそうになったけれど
もう2度と偽物に邪魔をされたくない。


冷静になろう。


この授業が終わるまで、メモの返事は返さない。


…返せない。


落ち着いて、自分らしく。