優しく残忍な人。

知らない人よりいいかもしれない。

それに松田家は

近所でも有名なお家だ。

裕福な家に嫁ぐ、

それはきっと幸せなこと。

けれど·····

「店はどうするのですか?」

「そうさなぁ。

継いでくれるものが居なければ

畳むのが筋だな。」

寂しそうな顔で父は言った。

「ここが無くなるのは····嫌です。

なら私は嫁ぎません。」