優しく残忍な人。

お店から出ていった

総司さんを私は追いかけた。

「総司さん···!

今日は急にどうなさったのですか?」

総司さんは静かに言った。

「ちょうど良いです。

お千代さんにもお話があります。」

「なんでしょう?」

「お千代さんとは今日でお別れです。」

急な言葉に私は

何が何だかわからなかった。

「え…?」

「私はこれから

遠方へ行かなければなりません。

何年もかかる仕事ですので

婚姻の話は

なかったことにして頂きたい。」