優しく残忍な人。

一さんは至って普通だ。

「なら千代は俺が貰おう。」

私は頭に血が上った。

「…斬りますよ。」

「斬れるのなら斬ればいい。

昔の傷が開くだけだ。」

一さんは腕を捲った。

そこには刀で斬られた跡が残ってる。

「フーフーッ…!」

首に刀を当てても

微動だにしない一さん。

彼は私に無いものを持っている。

醜い嫉妬などしない心。

そして健康な体まで。