優しく残忍な人。

有り得ない。

「私には理由が分かりません。

倒れた理由が。」

渋々土方さんは答えた。

「おそらく暑さだろう。

今日までは休め。」

そう言われた。

部屋に戻る時に考えた。

私が暑さで倒れた?

そんなことあるはずがない。

日々稽古でも

倒れたことなんてなかった。

それからは雑務で抜け出せず、

体のことも、お千代さんのことも

考える時間なんてなかった。