あれから半年ほど経ち、

あっという間に

文久4年の春になった。

「お疲れ様です。」

出入口に立っている殿方に

挨拶をして私は中に入った。

「お、また来たな。

今日はなんだ?」

「きゃっ」

佐之さんは以前より

遠慮がなくなり、

私の肩に体重をかけた。

「なにしてんの·····」

そこに平助さんがいらして

「嫁入り前の子に気安く触んな!

おっさん!」

これが日常。