「律さんのカップ、“R”じゃないんですね?」

ふふふ。

嬉しくて思わず笑みが零れた。

「当たり前でしょう?あなたの“U”は、オレのもの、です」

最初は26個あったマグカップの底には、わかるかわからないか位の薄さで、A~Zまでのアルファベットが1文字ずつ刻んであったという。

まさか、最後に残っていたふたつきりのマグカップが、“R“と”U”だったなんて。

そうして今、私の手の中にすっぽり収まった“R”のマグカップ。

「これで“R”が3つ、です」

ん?3つ?

言った私の言葉に、疑問符を浮かべた律さん。