空になった、カップやパフェグラス。

重なるてのひら。

テーブルの上で、シアワセが溢れている。

微笑んで、

「行きましょうか」

私の手を引いて立ち上がった律さんについて行く。

カラトリーやマグカップの販売もしているこのカフェでお茶をするときには帰りに、気に入ったものをふたりで選ぶことがお決まりになっている。

行くたびに、新しい商品が並んでいて飽きることがない。

「…わ、律さん、これ」

「…わ、詩さん、これ」

久しぶりに揃った声に、ふたりで笑う。

「…すっごいシンクロ率、ですね…」

レジのお姉さんが目を丸くしていて、そんなお姉さんの姿を見てまた、笑い合う。