「…毎日、毎時間。それこそ、つねに思ってるんです」

「うん」

話し出した私の言葉に、いつものように穏やかに返した律さん。

「シアワセ、だなぁ、って」

そんな私の言葉を聞いた瞬間。

ふわりと、雨上がりに架かる虹みたいに笑った律さん。

そんな笑顔がまた、私にシアワセをくれる。

「それじゃあ、オレがいつも思っていることと同じ、だね」

テーブルの上に差し出された、律さんの右手。

吸い込まれるように、自分の右手を載せた。

ふわりと握られる、てのひら。

ぬくい体温が、嬉しい。

目を見合わせて、笑い合う。

シアワセはどこまでもシアワセを、呼ぶ。