律さんの左手をそっと持ち上げる。

その薬指に嵌まる指輪を見つめた。

なんだか今日は、七色に引かれた色のうち緑が際立って見える。

自分の左手の指輪も見つめているうちに、その正体に気がついた。

律さんの左手薬指に自分の左手薬指を沿わせた。

ぴたりと合う緑色。

橘さんが、私たちのために作ってくれた指輪は、緑色を律さんと共有している。

私と律さんだけの緑。

虹の端に刻まれた『R』は、私の、私だけの『R』

そうして、寄り添うように並ぶ2石のダイヤは私と律さんのようで。

「律さん、いつもずっと。これからも、ずーっと。私は律さんだけを見つめています」

そうしてそっと。

いつのまにか、絡まった左手と左手。

その2本の指輪にキスをした。

そんな私を、一瞬驚いた顔で見つめた律さん。

「オレもに、決まっているでしょう?」

シアワセな緑に包まれて。

これからもふたりで見つめあって、生きて行く。




ー緑、青、藍、紫、赤、オレンジ、黄_