おひさまが沈んできて、どんどんと暗くなってゆく室内。

朝、出掛けた時のまま、律さんに「どっちがいいかな?」聞かれて、選ばなかった方のシャツがソファーに置き去りにされている。

もう、時間がないから帰ってきたら片付けます。

微笑んで、出掛けるときのお決まりのキスを私に落としていってくれた律さん。

ふたりで選んだクッションも、並んでホルダーにさしてある色違いの歯ブラシも。

左手の薬指に嵌るリングも。

大切なものたちで溢れている、大好きな部屋。

律さんと私の、部屋。