なんだか目がさえてしまったのはきっと、律さんのせい。

夢の中で、あんなに甘いキスをしてくれたから。

ほんやりと、窓の外から射すオレンジ色の光。

時計の時刻は午前4時。

動き出すにはまだ、早い時間。

お水でも飲んでまた、眠ろう。

今日は律さんも私も仕事がお休みだから。

隣の律さんを起こさないように、静かにベッドから起き上がった。

…と、

「…どうしたの…?」

私の手首をゆるく、掴んだぬくいてのひら。

「…あ、律さん起こしちゃいました?」

「んーん?オレも今、偶然目が覚めたとこ」

言いながら、人差し指で目を擦っている。

律さんの優しいウソが、私の全身を優しく包んでゆく。