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はあ,だめだぜんぜん決まらない。
いま俺の悩みは,生徒会の演説について。
かれこれ1時間くらい教室に残って考えてる。
1週間後に生徒会選挙があるんだけど,俺が立候補した書記は他にも立候補者がいた。しかも2年。
普通に考えて俺が勝つのは厳しい。
だってみんな生徒会なんて上級生に票いれるだろ?
だから俺は演説を頑張らないといけない。
1年,下級生,っていうイメージがなくなるくらいインパクトのある演説をしないと。
はあ,でもやりたいこととか真面目に言っても聞いてくれる奴はいないだろうし。
ぜんぜん決まらなんだよなぁ。
「集中してるとこごめん。あのさ,中村くん,忘れ物したからとってもいい?」
なんて,上から声がかかって死ぬほど驚いた。その声の持ち主は伊原日向くん。そう,俺のライバル。(勝手に思ってるだけ)
「あ,ごめん邪魔したな。」
あー気まずい。伊原くんの机に座ってるのがバレた。イケメンの机と椅子を借りればいい案が思いつくかも,って思って座ってたなんて口が裂けても言えない。
めちゃくちゃ焦ってるけど,多分平然装えてるはず。
「いや,ぜんぜんいいんだけど。何やってんの??」
よかった,席に座ってること追求されなくて。
なんで言えばいいかわかんねえし。
「生徒会の演説考えてんだよ。いいの思いつかなくて困ってるところ。勝つためのアクセントが欲しいんだけど思いつかなくてさ。」
そういえばアクセントといえば一葉と悠人だな。
あいつらのアクセントとやらは万人受けではないか。
まあでも聞いてみる価値はありそう。
「へー,中村くん頭キれそうなのに。悩むなんて重要なんだね。」
イワナナといい一葉といい,俺のイメージは結構硬いんだな。
「なかむー,でいいよ呼び方。」
一葉じゃないけど,中村くんなんて呼ばれ方は気持ち悪い。まして男から。
「まじ?じゃあ俺も日向でいーよー。」
これが日向との最初の会話。


