「茉莉ー!!!!」


遠くから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


声のする方向に目をやると、

笑顔で手を振っている加奈が立っていた。



「加奈ぁー!!!!」

私も大きく手を振った。



「本当に私のこと好き…?」

私は確認するように悟史くんに聞いた。



「あぁ、実は入学してからずっと。桜並木で初めて見た時、一目惚れだった。すっごく綺麗なお前は、表現しきれないぐらい綺麗で、すごかった。やっと…気持ち…通じた。」


入学してからずっと…?

私を…?



「私もっ!!!!」


私は悟史くんに思いっきり抱きついた。



私の体を包み込むように優しく腕を回してくれた。


その手はすごく優しくて、私の目からは涙が流れていた。




「幸せ?」

そう言ってきたのは加奈だった。


私たちの近くに加奈が来ていてずっと見ていたらしい…。



「すっげぇー幸せっ!」

そう言って悟史くんは私の唇にまた自分の唇を重ねた。



「きゃぁ~熱いっ!見せ付けないでよっ!」


加奈は邪魔者を掃くように手をちらつかせた。