クラスの男子が全員、元カレだった件





広田博はとにかく身体が大きい。身長が190cmもある。


その身長を活かして、バスケ部ではキャプテンでエース。女子にモテるようなかっこいいタイプではないけれど、私は確かに付き合っていた。


そして付き合ってから気づく。彼の心の小ささに。


広田博はとにかく心が小さい。食事に行っても、1円単位まできっちり分けるようなドケチぶり。そして、左利き。


「なんで気づかなかったんだろう……」


考えれば簡単なことだ。プレゼントであげたネックレスを返せなんて言うようなケチは、広田博くらいだ。


別に返してもいいし、返すべきかなと思う。でもそれをわざわざ手紙で、それも何ヶ月も経ってから言ってくるところが、心が小さいのだ。


これはめんどくさい。ひょっとしたら河野浩介よりもめんどくさい相手かもしれない。


でも、その河野浩介も、広田博と仲が良いから、余計めんどくさい。休み時間も一緒に話してるところを、寝ている青山碧越しに何度も見る。


混ぜるな危険コンビ。でももう混ざってしまった。片方とこうしてお茶をしながら、もう片方のことで悩まされてる板挟みサンドイッチ。


「サンドイッチなんか食べるな!」


「え? どうして? 嫌い?」


わけのわかっていない河野浩介は、きょとんとした顔で言った。でもそのきょとん顔もムカつく。