賀来さんが引っ張っていかれるのを、呆然と立ち尽くして見ていると、サルちゃんと呼ばれた子と目が合った。
「あなたは……」
「あ、ごめんなさい。壁にもたれかかってたら、この部屋に入っちゃってて」
「いえ、そうじゃなくて」と言って、サルちゃんがずいっと顔を近づけてきた。
「うーん、勘ですけど……」
「な、何かな?」
キスでもされるのかな?
「とても他人には思えないですね。境遇が似ているというか、何というか。難しくて言葉にできませんけど」
と言って、サルちゃんは賀来さんを引っ張って、部屋を出て行った。
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