授業が終わった放課後、高橋隆人が「ゲーセンでも行かね?」と誘ってきた。


とてもそんな気になれなかった私は、「行かねえ」と高橋隆人口調で返すと、高橋隆人は、「そうか。じゃあ、また明日な」と言って、帰って行った。


あれでも気を遣ってくれているのだ。わかりにくいけど。


教室を出て、昇降口へ行く。


そして、下駄箱でローファーに履き替えようとしたとき、私のローファーの上に何か置かれていた。


手紙? いや、ルーズリーフだろうか。


開くと、こう書かれてあった。


『ネックレス返せバカ!!!』