五時間目。沢渡先生の英語の授業を受けながら、部活のことについて考えていた。
本当は私、部活には入ったことがある。それがあの文芸部だった。
1年生の頃だ。やりたいことが特に見つからなかった私は、青山碧に勧められて文芸部に入った。
そこで書いた小説が、何とかいう新人賞の最終候補まで残った。これは、瀬花高校創立以来の快挙だったらしい。
賀来くんには、「やるっスね、いずみん」ってベタ褒めされて、1個上の先輩、戸松副部長からは、「ふん、そのまぐれが続けばいいな」と嫌味を言われたっけ。
でも、花の名社とかいう出版社から来た三村って編集長から「あなたは才能がある。鬼才と言ってもいい」って言われたときはさすがに嬉しかった。
その言葉が嬉しくて、ずっと書き続けたいって思っていたけど、結局5か月で辞めた。
その理由は、陰湿ないじめだった。



