「そろそろ、ご飯にしようか」
と重松茂が言って、私も、あの家族のお弁当を見ていると、お腹が空いてきた。
「そうだね。どこか売店とかあるのかな?」
「いや、大丈夫。僕、作ってきたから」
「あ、そうなんだ」と、言いかけたところで、引っかかった。
「え? 作ってきた?」
「うん。僕、こう見えて料理、得意なんだよ」
知らなかった。元カレなのに、料理ができるかどうかすら、私は知らなかったのだ。
「あ、じゃあ、今日遅れたのって、まさかそれで?」
「まあね。ちょっといろいろ凝っちゃって……」
そうだったのか。てっきり迷彩柄のTシャツと、ミリタリーパンツを組み合わせるのに、悩んでいて遅くなったのだと思っていた。



