あの時と同じように、ロープウェイが頂上に着いて、二人で植物公園に入った。
花が好きだから、という理由で選んだだけあって、園内は、名前のわからない綺麗な花が咲いている。
周りには、ベビーカーを押す男の人や、ソフトクリームを食べているカップル、写真を撮っている若い女の人、自主映画の撮影だろうか、ああでもない、こうでもないともめている、私たちと同じくらいの年の男女がいる。
ただそれだけの空間。でも、それだけの空間が、休日に添える綺麗な花となって、心の中に咲いた。
「あの時は、雨だったから、確か東屋に座って、お互い黙ってたんだよね?」
と私が聞くと、重松茂は、「そうそう」と笑った。
「ちょうど、あの東屋だった」
そう重松茂が指さした先に、屋根のついたベンチ、東屋があって、4人家族が仲良さそうに、お弁当を食べていた。



