「あんなの、じゃなくて、あれがいいんだよ」 「へえー、じゃあもし俺に当たったらあげるよ」 「え、まじ? いいの?」 「うん。その代わり、あの自転車が当たったら、俺に回してくれない?」 「おお! もちろん! 僕、イタリア製の自転車持ってるし」いちいち自慢を入れてくるこいつ、何なの? 「和泉もね? 僕が欲しいユニフォーム当たったらよろしく!」 「私は嫌」 「え? 俺の自転車も?」 「自転車も。ってか、二人とも自分の立場わかってんの? 元カレにそこまでする義理ないし」