「違う!そうじゃない!」と私は大物アーティストみたいな言葉で、抗議した。
「成り行きよ、成り行き。成り行きでこうなっただけよ。断じて、結婚を前提にお付き合いしているわけじゃない!」
「いや、そこまでは言ってないと思う」
とさっきまで子どもたちと話していた坂井海が言った。すると、顔を見合せたように河野浩介も、
「あ、うん。僕も何もそこまでは……」
と、なぜか私が変な人みたいな、ヤバい人みたいな立場になっている。
「それで、どうなの? 自信の方は」
私は無理矢理話題を変えた。
「どうなのって何が?」



