というわけで、会場に着くと、ちびっ子を中心に、大勢の人が集まっていて、配られたビンゴカードを片手に、始まるのを今か今かと待っていた。


私たちも参加費の500円を払って、ビンゴカードを手に入れると、ちびっ子たちに混ざった。


「ビンゴなんていつぶりかな」


と私は記憶の引き出しを探った。


「そりゃ、あれでしょ。中2の時の」


中2の? ああ、あった。引き出しに、そんな記憶。


「卵の黄身と白身を分けるやつの?」


「そうそう。卵の黄身と白身を分けるやつの」


「確か、碧と3人で行ったよね」


「そう。で、俺が当てた卵の黄身と白身を分けるやつを碧と和泉が欲しがって」


「ケンカになったんだっけ」


「大変だったよ。俺の部屋にあるもの、例えば和泉が洗顔クリームを投げたら、碧が壊れた電源タップを投げて、和泉が俺が中学の時に出た駅伝大会でもらったトロフィーを投げたら、碧が本棚の本をフリスビーみたいに投げ出して」


「え、ヤクザじゃん。そんなことあったっけ?」


「あったよ。さすがに和泉がガラステーブルのガラスの天板を投げようとした時は、必死に止めたけど」