と、まあ11時に坂井海を呼びに行くと、確実に出発は12時になる。 私はわかっている。わかっているのだ。 だから10:00になったところで、私は坂井家のインターホンを押した。坂井海のお母さんがエプロン姿で出てくる。 「あら、和泉ちゃん。いらっしゃい」 「海はどうですか?」 「いつもの感じ、かしらね……」 「ああ、『いつもの感じ』ですね……」 やはり、「いつもの感じ」らしい。 「……じゃあ、お邪魔します」 「いつもごめんね?」 ほんと、いつもいつも……。