そんな感じできまずい空気のまま、私は椅子に座り、ぼーっと夕陽を眺めていた。
そうこうしていると、日が暮れて、坂井海が帰ってきた。
「あれ? まだ始めてなかったの?」
と、誰を待っていたと思ってるんだ発言をし、家の中に入って行き、しばらく帰ってこなかった。
着替えているにしては長い。こいつ、まさかと思うが……。
「……お風呂入ってるわね」
と青山碧が言って、その場にいる全員がうんうんと頷いた。
「しゃーない。先に火でも起こしておくか」
と言って、おじさんが炭の入った箱を持とうとしたから、私は「あ、手伝います」と言って、手伝おうとしたけど、その手をお父さんが制した。
「いや、いいんだよ、和泉。あいつにやらせとけばいい」
いや、お前は手伝えよ。と内心思ったけど、おじさんも「まあ、こいつに言われるのは若干イラっとするが、その通りだよ、和泉ちゃん。ゆっくりしな?」と言ってくれたので、お言葉に甘えることにした。



