そして迎えた土曜日。
青山碧は、金曜日のうちから私の家に泊まって、それから一緒に週末課題をやって、午後5時、青山碧を含めた私たち家族は、真向かいにある坂井家にお邪魔した。
「いらっしゃい。よく来たわね。ささ、座って座って」
と坂井海のお母さんに促され、私たちは適当なところに腰掛けた。お母さんは、おばさんと一緒に、キッチンに消えた。
お父さんというと、坂井海のお父さんの近くに何も言わず座った。
「よお、貧乏人。来たか」
とおじさんがお父さんに皮肉を言う。
「何が貧乏人だ。お前の方が貧乏じゃねえか。なんだ、このビール。発泡酒か? しけてるな」
とお父さんも負けじと返し、勝手に文句の言っていた発泡酒を飲んだ。
「相変わらずだな、お前は。お、和泉ちゃんに碧ちゃん、久しぶり!」
「あ、どうもおじさん。久しぶりっす!」
と青山碧が馴れ馴れしく挨拶して、流れでビールを開けようとしたから、私は青山碧の手を叩き、止めた。
ちなみに、青山碧と私たちは中学生の頃から一緒で、青山碧も坂井海の家には何度も行ったことがある。



