「ちょっと待ったー!」と青山碧が声を上げて立ち上がった。
「なーんで、あんたたちはいつもいつも、顔合わせるたびにこうなの? なんでこういつもいつもいつも喧嘩になるの!」
私は坂井海と顔を見合わせた。
「別に、喧嘩なんかしてないわよ」
「うん、喧嘩はしてない」
「どう見たって喧嘩じゃない!」と青山碧が抗議した。
「仮に喧嘩じゃなかったとしたら、あんたたちは何? 夫婦なわけ?」
私はまた、坂井海と顔を見合わせた。
「いや、夫婦ってより……ねえ?」
「そうだね。俺らは幼馴染だし。幼馴染の会話なんて、こんなもんでしょ?」



