物理の授業は、案の定退屈だった。 とはいえ、黒板に書いてあることをノートに書き写す、板書(ばんしょ)くらいはしておかないとテストに困る。 だから私は、必死に板書する。赤ペンや蛍光ペンを使い分けて、見やすく、丁寧に。 そんな中、横目でチラッと、旧友、青山碧の方を見ると、青山碧は机に伏して寝ていた。 「あ? 何?」 と、ふいに隣の席の奴に話しかけられた。