「お待たせしました」
相変わらず不愛想な坂井海から、アイスを受け取り、コンビニの外にあるベンチに私は青山碧と二人、並んで座った。
「さ、ご賞味あれ!」
早速一口食べてみる。うん……不味くはない。不味くはないけど、美味しいものでもない。なんとも中途半端な味。
しかし、青山碧には美味しいようで、まるで抹茶ソフトでも食べているかのような表情を浮かべている。好きな人には好きな味……ということなのだろうか。
そんな感じで何となくアボカドしょうゆ味のソフトクリームを食べていると、坂井海がゴミ袋を持って店の外に来た。私たちの座っているベンチの横には、ゴミ箱があって、どうやら、袋を取り換えるらしい。
「ねえ、海はこれ食べた?」
と青山碧が何のデリカシーもなしに、聞いた。
「あ、うん。まあまあ美味しいよね」
「マジか!」私は思わず口を出してしまった。
「こんなのが?」
「うん。結構売れてるよ? 俺も食べてみたけど、なかなか美味かった」



