応援には当枝冬馬や高橋隆人、重松茂も来てくれた。
そして、もちろん、秋澤明人もいる。
「小泉和泉!」とストレッチをしている私の元へ、やる気十分といった様子の常盤七葉がやってきた。
「早く始めよう。私はこれから練習があるんだ。長く時間は取れない」
「わ、わかってるよ」
本当は一回くらい走っておきたかったけど、仕方ない。渋々、スタートラインにつく。
「これから何が始まるんだ?」といった感じで、ギャラリーも少しずつ集まってきた。おまけにスターターや計測係もいる。おそらく常盤七葉の奴隷だろうが……。
「約束、守ってもらうからな」
と私の横について飛び跳ねている常盤七葉が言った。
「わかってる。でも、負けないから」
「いいや、私の方が絶対に負けない」
ここまで来ると、清々しささえ感じる自信だ。
逆の立場なら、私もそういう風に思えたのだろうか。