「でも、もしかしたら、僕と同じように思ってる人はいるんじゃないかな？」
「同じように？」
「うん。今日はなんだか、当枝くん、気持ち元気なさそうだったし」
「え？ そうかな？ 私には普通に見えたけど……」
「ううん。あれは何だか上の空って感じだった。わかるんだよ、僕には。当枝くんとは気が合うから余計にそう感じるのかもしれないけど」
そう、なのだろうか。
それがあって、不安になって、昨日の夜、あんなことをしたのだろうか。
いやいや、そんなことは絶対にない、とは言い切れない。
だって、それくらい、昨日の当枝冬馬はおかしかったから。
