クラスの男子が全員、元カレだった件





「それって、秋澤くんのことが好きってことじゃないかな?」


さっきあったことを全部話すと、重松茂はさらっとそう言った。


「いや、好き……じゃないと思う。でも、なんか、嫌だなって思った」


「それが好きってことなんじゃないの?」


「うーん……そういうのじゃないんだけど、なんか嫌だなって……」


「いや、きっとそういうことなんだよ」と言って、重松茂はカニの形に切ったウインナーを口に運んだ。


「僕だって、小泉が秋澤くんのために頑張ってるの見るの、ちょっと嫌だなって思うし」


「え? それって、まさか、まだ私のこと……」


「ほら、やっぱり好きなんでしょ? 秋澤くんのこと。そうじゃないと、今みたいな思考にならないよ?」


「うっ……」


と私は言葉に詰まってしまった。