ジャーン、ジャン!
とギターを鳴らして、曲が終わると、私は拍手をした。
「いい。すっごくよかった!」
「そうか? まあ、そう言ってくれるとよかったよ」
「歌詞も、新藤くんが考えたの?」
「いや、長田が考えたんだよ。あいつ小説書いてるだろ? 一曲書いてくれないかって頼んだんだ。そしたら、1日で仕上げてきた。さすが文芸部だよな」
そうだったんだ。
あれからも毎日、長田治が書いた小説は、下駄箱に入っている。
それも決して少なくないページ数だ。
文芸部で書いている小説とは別に、私だけに書いてくれている小説、それに加えて作詞までやっているなんて。
「そっか。長田くんも頑張ってるんだね」
私には頑張ってもらいたい人がいる。私の思いに、頑張ってくれた人たちもいる。
私も、頑張らないと! 改めてそう強く思った。
「ありがとう、新藤くん。とっても元気になった!」
「そうか。まあ、何があったか知らねえけど、頑張れよ。なんたってお前は……」
「うん。『グレート』だもんね」



