「ねえ、もう1曲何か、弾いてみてよ」 「んあ?」と言って、新藤晋作は紙パックに入った緑茶を一口飲んだ。 「今ギター置いたばっかじゃんか」 「別にいいでしょ? じゃないと、授業サボってるの、先生に言っちゃうよ?」 「……お前は悪魔かよ」そう言いながらも、新藤晋作はギターを担いでくれる。 「リクエストは?」 「お任せで!」 「じゃあ、新曲『オン・ザ・ロード』を」 そう言って、新藤晋作は一息呼吸を入れて、ギターをかき鳴らした。