「どうしたの?」
そう聞くと、当枝冬馬は、椅子に座って、少し俯きながら言った。
「今日さ、隣で寝ていいかな?」
はい?
「ど、どういうこと?」
「なんか、その、隣で寝たい気分……というか。ダメ……かな?」
「そんなのダメだよ、ダメ! ダメに決まってるよ!」
どうしたんだろう、当枝冬馬。付き合ってる時には、そんなこと言わなかったのに、どうしたんだろう、本当に。
とにかくダメだ。男女が一緒のベッドで寝るなんて、そんなそんな。ダメ。ダメに決まってる。
「そうだよね……ごめん、忘れて」
と言って、当枝冬馬は席を立った。
確かにダメ。ダメに決まってる。でも、なんでだろう。どうかしちゃったのだろうか。
身体が火照って、熱い。



